卒業式 理事長祝辞
平成30年度
名古屋文化学園保育専門学校卒業式 理事長祝辞
(平成31年3月20日)
まもなく平成という元号が終わろうとしています。2019年5月1日からは新しい元号となります。その新しい元号の年に皆さんは本校を卒業され、社会に旅立つことになりました。新しい時代は皆さんの時代です。皆さんがその時代の中心となる人物であり、皆さんがその時代を作っていかねばなりません。
皆さんは、本校での課程を経て、幼稚園教諭免許、保育士資格、専門士称号という優れた武器を持って社会に旅だっていかれることになりました。皆さんが、今、手にしている資格はこれまでの2年あるいは3年の時間と日々の努力が結実したものです。その武器を存分に活用してこれからの人生を乗り切っていっていただきたい。
「新しい酒は新しい革袋に入れよ」と、いう言葉があります。まだ酒をつくる技術が発達していない時代では、新しい酒は容器の中に入れた後も、どんどん発酵が進み膨張して、容器の中の圧力が高まっていってしまう。古い、弱くなった革袋ではその膨張に耐えきれずに裂けてしまうので新しい酒をちゃんと保存するためには、まだ新品の丈夫な入れ物、新しい革袋でなければならない、とする言葉です。
このことから転じて、新進気鋭の人たちを包んでいくためには、それに見合った新しい丈夫なフィールドが必要だとする言葉です。新進気鋭の考え方は、どんどん成長していき、どんどん膨張していく。だからそれを包み込むための容器は、丈夫な新しい容器でなければならないとする考え方です。
皆さんは正に新しい酒であります。新進気鋭の人たちであり、今、日本の幼児教育の最前線に立ち、発酵の時、成長の時を迎えた皆さんは、出来上がったばかりの酒のように発酵を続け、どんどん知識や経験を積み上げて急速な成長を続ける、その時を迎えた人ばかりであります。
そして、今、我が国は平成という古い革袋から脱して、新しい元号の時代に進もうとしています。正に新しい革袋であります。皆さんのような新進気鋭の考え方を持つ人に相応しい新しい時代が今、幕を開けようとしています。この新しい元号の時代はあなたたちのものです。あなたたち自身がこの新しい時代を切り開いていくパイオニアとなります。そのことを深く胸に刻んでいただきたいと思います。新しい時代がいい時代になるか良くない時代となるかは、誰が決める訳でもなく、あなた方皆さんが決めるのです。皆さんのような若い力がその実力を存分に発揮すれば平成に負けないよい時代になるでしょうし、もし、皆さんが努力を怠れば平凡な時代と堕してしまうのです。全力でもって新しい時代を切り拓いていかれることを心から期待しています。