名古屋文化学園保育専門学校には数多くの附属園があります。名古屋文化幼稚園、津幼稚園、三好文化幼稚園、黒笹保育園と国内に4園、海外にも2つの園を保有しています。
ロンドン文化幼稚園
1つは「ロンドン文化幼稚園」です。1997年に設立されています。この園はロンドンに住む日本人の子弟を対象とした幼稚園で、園長先生はじめ先生たちも園児もすべて日本人で、使用言語も日本語です。
ロンドンに住む日本人は、そのままイギリスに永住する人と会社の都合でいつかは日本に帰る人がいます。前者では子弟を現地校に入学させてそのまま「イギリス人」として育てていくことが多いのですが、後者では、将来、日本に帰った時に困らないための教育が求められます。
ロンドン文化幼稚園の教育の柱は名古屋文化幼稚園と同じです。制服も名古屋文化幼稚園と同じ物ですし、教育の内容も名古屋文化幼稚園保育内容を踏襲したものです。前園長の安里先生は本校の出身であり、三好文化幼稚園や津幼稚園で教員として働いていた経験から本学園の伝統を色濃く受け継いでいます。
ロンドン文化幼稚園では日本の伝統文化を特に大切にしています。例えば「ひな祭り」。日本ではその時期になると街中もテレビも「お雛様」の話で持ちきりになりますが、当地では誰も「ひな祭り」のことを話題にしません。ロンドンのことですから当然ですね。ですから園児が「ひな祭り」に触れることができるのは幼稚園の中だけということになります。「こどもの日」「七夕」「お正月」「お盆」「餅つき」そんな日本の伝統文化や伝統行事のことをしっかりと教えていかねばなりません。同様に日本の昔話にも触れさせてあげたいと考えています。「一寸法師」「桃太郎」等々、日本ではあちこちで見かけるヒーローたちも当地では見かけることはありません。以前、ロンドン駐在から日本に帰った人が自分の子どもが「桃太郎」を知らなくて愕然とした、という話もあります。ロンドン文化幼稚園ではこどもたちが日本に帰った後も戸惑うことなく小学校教育を受け止めるための教育を施しています。
オージーキッズ・マーメードウォーターズ幼稚園(Aussie Kids at Mermaid Waters)
オーストラリア、ゴールドコーストにある「オージーキッズ・マーメードウォーターズ幼稚園(Aussie Kids at Mermaid Waters)」はオーストラリア人を対象とした幼稚園で、1995年に設立されています。この園では先生も園児もオーストラリア人ばかり(1人だけ日本人の先生がいます)。使用言語も英語となっています。この園は名古屋文化学園保育専門学校の実習園として位置づけられています。
1995年から本校が実施している「オーストラリア保育実習ツアー」は、この園を中心とする8ヶ園での実習を中心に置いたツアーで、現在までに1,300名以上の学生が参加してオーストラリアの保育を体験しています。参加学生は英語ができなくて戸惑うこともありますが、実習を重ねる内にどんどん慣れてきて、最終日にはこどもたちとの意思疎通も可能になります。例年、最後に学生諸君が日本らしい出し物を披露して実習を終えます。
本校では、2005年からはこのツアーを名古屋短期大学にも提供しており、今では、毎年、両校合わせて100名近い保育を学ぶ学生がに参加しています。オージーキッズ・マーメードウォーターズ幼稚園の唯一の日本人教員である浅野先生もこのオーストラリア保育実習ツアーの参加者でした。その後、名古屋短期大学専攻科保育専攻でオーストラリアの免許(サーティフィケートⅢ)を取得して、以後、この園の教員として活躍中です。
なお、本校には名古屋短期大学専攻科保育専攻への推移枠があり、希望者は無試験で入学することができます。
※専攻科
短大や専門学校を卒業後に進学する科。
一般的には2年課程で短大や専門学校の2年と合わせて4年制大学と同じ資格(学位)を取得できる。
