児童心理治療施設にて「こどもケア」のプロフェッショナルとして働いています。
夜間コース卒業生にインタビューしました。
さまざまな理由から、学校や家庭で生きづらさを抱える小学1年生から高校3年生までの子ども達を必要な期間預かり、治療を行う児童心理治療施設で働いています。
施設での活動すべてが治療であるという「総合環境療法」の視点で支援を行っていて、「心理治療」「生活支援」「学校教育」を三本柱とし、福祉・保育・医療・心理・教育それぞれの専門職が協力しながら、子ども達の生きづらさの改善を図っています。
その中で、保育士は、保護者に代わり、生活の子ども支援の中心的役割を担います。
自分は小学2年生の男児を担当しています。担当している子は、発達障害の影響もあり社会的関係を結ぶことが難しく、自分が着任した当初は、小学校に通えずにいました。
先輩・同僚のサポートを受けながら試行錯誤、しっかり向き合っているうちに、次第に学園敷地内にある小学校(市立小学校の分校)に朝だけは通えるようになり、今では朝から下校時まで学校ですごせる日もあるくらいに、成長しました。一歩一歩進んでいくこどもに伴走することにやりがいを感じますし、成長する姿をみるととても嬉しいです。
この分野・仕事を選んだきっかけ
スポーツクラブでこどもにサッカーを教えていました。
その中で、もっとしっかりこどもについて学びたい、国家資格を取得したいという気持ちが芽生え、名古屋文化学園保育専門学校夜間コースに入学。入学当初から卒業まで、昼間は、附属の名古屋文化幼稚園で3年間勤務しました(正社員)。
学校の授業を担当してくださっていた中日青葉学園の先生に声をかけられボランティアに参加。
サッカー教室や幼稚園の世界とは全く違う「未知の世界」である児童養護の仕事に興味を持ち就職に至りました。
現在は、当初頭に描いていた児童養護部門ではなく、児童心理治療部門でこどもケアのプロフェッショナルである「保育士」として働いています。
学校で学んだこと・学生時代
朝から夕方まで附属の幼稚園で勤務し、夕方から学校で学ぶという生活でした。
昼間の実践と夜間の学びが有機的に結びついた充実した日々でした。
努力が目に見えて上達につながるピアノの授業や、もともと得意だった体育系の体を動かす授業が好きでした。
児童養護の世界に飛び込んでから、座学で学んだ社会的養護や障害についての知識がとても役に立っています。と同時に、授業では本当に大切なことを教えてくださっていたのだな、もっとしっかり勉強すればよかった!と後悔しています(笑)。
後輩には、学校の授業は全部とても役に立つぞ!と伝えたいです。
中日青葉学園の児童心理治療施設「わかば館」にて小学2年生男児を担当。幼稚園勤務時代にも増して、しっかりと引き締まった表情が印象的でした。施設内を案内してくださる際にも、子ども達への配慮を欠かさず、多角的に物事を見る目に感心しました。取材に訪れた日は児童相談所との大事な会議があったとのこと。責任感をもって取り組んでいる様子に頼もしさも感じました。