夢に向かって
この春(2020年4月)、本校の学生が名古屋文化学園保育専門学校から名古屋短期大学専攻科留学タイプ(大学3.4年次相当)に進学します。
そこで、名古屋短期大学の小川教授をお迎えして、小川教授、本校校長、大海さんとの鼎談を行いました!
司会 今日は、名古屋短期大学の小川雄二先生をお招きして、鼎談を行いたいと思います。
加藤 小川先生、ご足労いただきましてありがとうございます。今日は、今回、名古屋短期大学専攻科留学コースに合格いたしました大海さんを交えて色々とお話を伺いたいと思います。
大海 小川先生、今日はよろしくお願いします。
●名古屋短期大学専攻科では海外の資格もとれる。
加藤 まずは名古屋短期大学専攻科留学タイプについてのご説明をお願いします。
小川 このコースは幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持っている人だけが入学できるコースです。ですから名古屋短期大学や名古屋文化学園保育専門学校などの幼稚園教員・保育士養成校を卒業した方が入学します。現在、名古屋柳城短期大学、岡崎女子短期大学、そして名古屋文化学園保育専門学校の3校にだけに指定校制度があります。
加藤 留学タイプの学生は多くが名古屋短期大学卒業の方だと思いますが、他校の出身者でも大丈夫ですか。
小川 心配いりません(笑)。幼稚園教諭・保育士を目指したいという共通の目的を持った人たちですから、すぐに馴染んで誰が名短出身者なのかわからなくなってしまいます(笑)。
加藤 そのコースではどんな資格がとれるのですか。
小川 2年間のコースでいろいろな資格を取ることができます。1つには短大や専門学校で取得した「幼稚園教諭2種免許状」を「幼稚園教諭1種免許状」にすることができます。保育士資格の方は短大・専門学校でも4年制大学でも全く同じものですので変わりはありませんが、4年制大学卒の「学士」の称号を得ることができます。そして何より通常の4年制大学では取ることができない、オーストラリアの保育士の資格「サーティフィケートⅢ」を取得することができます。
●オーストラリア保育留学は英語も楽しく学べる
加藤 留学タイプは2年課程ですが、どのような勉強をしていくのでしようか。
小川 まずは4月に入学してから1カ月間はいろいろなオリエンテーションを短大でお話ししていきます。5月になると、早速、オーストラリアに留学をします。クイーンズランド州、ゴールドコーストにあるイマジンカレッジ、もしくはブリスベンにあるブラウンズカレッジに通うことになります。両校とも名古屋短期大学の提携校です。イマジンカレッジは大海さんもオーストラリア保育実習ツアーで一日体験入学をされたことと思います。ここでまず3カ月間は英語の勉強をします。英語の勉強を積み重ねて、その課程を修了した後、今度は本格的に保育士の資格、サーティフィケートⅢを取得するための幼児教育の勉強を始めます。
大海 まず英語の勉強を3カ月間もする訳ですが、英語ばかりの授業と言うとかなり厳しいようですが大丈夫なのでしょうか。
小川 オーストラリアはいろいろな言葉を使う人が暮らしている国です。ですから他の言語を母語とする人に対する英語教育に関しては進んだ国だと言うことができます。英語を母語としない人に英語を教えるシステムがきちんと確立しているのですね。ですから英語の勉強がとっても楽しいらしいですよ(笑)。
加藤 そうですか。でも英語が苦手な学生もいるからその辺はいかがでしょうか。
大海 先生、私も苦手です(笑)。
小川 確かに英語の不得意な学生もたくさんいるわけですが、過去の卒業生からは「中学、高校と英語が大嫌いだったけどオーストラリアに来て英語が楽しくなった」という意見が多くあります。中には、3ヵ月の英語のコースを終えて次のステップに進めるのに、この英語の勉強がとっても楽しいのでそのまま英語コースを1ヵ月延長した学生もいましたね。
加藤 1年近い留学生活では、途中で気が緩んでしまう学生もいるのではないかと心配してしまいますが大丈夫ですか。
小川 その辺は保護者の方もご心配なところでしょうが、万全の態勢を整えています。イマジンカレッジ、ブラウンズカレッジともに日本人の教員が在駐していて、学生のいろいろな悩みや相談に乗ってくれていますし、専攻科卒業生で現地園に就職している者がいつでもヘルプしてくれます。また、名古屋短大や名古屋文化学園保育専門学校が夏休みに行うオーストラリア保育実習ツアーでは教員が随行していきますので、その際、留学生とのいろいろな交流を行っています。合わせて11月には教員が訪問して留学生のケアーをおこなっています。
司会 手厚いサポートが心強いですね。貴学では留学を無事に終える方が100%とお聞きして驚きました。一般的には8割程で成功だとされていますから。
●留学が将来の進路を大きく広げる
加藤 なるほど。それなら安心ですね。専攻科留学コース2年間の課程を修了した後はどのような方面に就職していくのですか。
小川 まず幼稚園教諭1種免許と保育士資格がある訳ですので、それを活かして、公立私立を問わず、国内の幼稚園・保育園に就職する人がいます。また、オーストラリアに戻って現地の園に就職する者もいます。そして、英語という世界共通言語を獲得する訳ですので、オーストラリアに限らずニュージーランド、カナダ、アメリカ、イギリスなどいろいろな地域に就職していく人がいます。日本で就職する場合でもインターナショナル・スクール、インターナショナル幼稚園に就職する人もいます。
●77万円の留学奨学金が支給される!
加藤 2年間の短大・専門学校生活を終えた後、もう一度入学するとなると金銭的な負担も大きいわけですが、、、、。
小川 本学専攻科留学タイプでは文部科学省の海外留学支援制度の奨学金をいただくことができます。1年間で770,000円の奨学金です。
加藤 その奨学金は返還の義務があるのでしょうか。
小川 返還不要の支給奨学金です。自由に使うことができます。
●オーストラリアの印象は?
加藤 さて、お話を大海さんに戻しましょう。大海さんは本校1年の時にオーストラリア保育実習ツアーに参加したのですが、その印象を聞かせてください。
大海 とても楽しかったです。オーストラリア、初めての海外園、英会話、と不安でいっぱいだったのですが、そんな心配は全く不要でした。
加藤 家族から離れての2週間以上の生活というのはどうだったでしょうか。
大海 2週間も1人で過ごすのはとても不安だったのですが、仲間たちにも恵まれてとても楽しい時間を過ごすことができました。
加藤 園での実習は如何でしたか。
大海 オーストラリアの園と言うのはとても自由な雰囲気で、私たちもリラックスして実習することができてとても楽しい充実した日々でした。
加藤 今回、名古屋短期大学専攻科留学タイプに進む訳ですが、卒業後はどんな方向に進みたいですか。
大海 まだ正直言って未定です。オーストラリアの園に就職したいと言う気持ちもありますが、いろんなことを学んだ上で日本に帰ってきて日本のこどもたちの保育に活かしたいと言う気持ちもあります。自分の園も作れたらいいなとも思っています。でもまだ、全然、未定です(笑)。
●オーストラリアではホームステイ?シェアハウス?
加藤 小川先生、留学中はずっとホームステイで過ごすのですか。
小川 最初、オーストラリアでの生活に慣れるまでは一般家庭でのホームステイを経験してもらい、そこから徐々に慣れてくのがよいと思います。ホームステイですと朝昼晩の食事の心配もなく学校への送り迎えもしてもらえますし、週末にはホームステイ先と一緒にでかけることもできます。
大海 その後の住まいは自由なのですか。 小川 ホームステイ期間が終わった後は、アパートメントに住むなり友だち同士でシェアハウスに住むなり、いろいろな選択肢がありますが、その中で、ホームステイを続ける学生も多くいます。
加藤 ステイ先家族ととても仲良くなってしまう場合もあるようですね。
小川 そういう場合もあります。また、ステイ先に小さなこどもがいる場合、そのベビーシッターや家事をする代わりに家賃や食費を免除してもらうという形もあります。デミペアと呼ばれています。その場合、滞在費はゼロになりますので、先程の奨学金等を含めて留学にかかる費用を低く抑えることができます。
●オーストラリア保育留学の源流は名古屋文化学園にあった
加藤 この留学のシステムは素晴らしい。英語・保育に興味のある人には、是非、参加してもらいたいですね。
小川 これというのも加藤先生が始めたことです。1995年に初めて加藤先生がオーストラリアに園を開いた。そのことがすべての始まりです。
加藤 あの当時は国際化という言葉がもてはやされていました。何でも国際化、何でもインタナショナリゼーション、その中で保育だけがその流れの中に入って行けないのがとても悔しくて。なんとか保育の国際化を図っていこう、そう考えてオーストラリアに本校附属園を設置しました。最初は名古屋文化幼稚園との園児同士の交流を考えていたのですが、それ以上に、先生たちの交流というのが大事ではないかと考えるようになり、本校学生が現地の幼稚園で実施をするオーストラリア保育実習ツアーを始めました。最初は本校だけで行っていたのですが、途中から小川先生にもご参加いただき、名古屋短期大学の学生さんも参加してくれるようになり大きな実習ツアーになりました。そして、小川先生のお力で名古屋短期大学に専攻科留学タイプができ、この保育の国際化が前進をしていった訳です。今回は桜花学園大学にも留学を中心とする国際こども教養学科を作られました。こちらのほうも保育の国際化に大きく貢献してくれるのではないかと期待をしています。実は、本学でも2021年4月に国際こどもコースを新設します。視野を大きく持った保育者の育成にこれからも取り組んでいきたいと思っています。
司会 先生方ありがとうございました。今日は色々と貴重な話を伺い大海さんもいろいろと勉強になったことと思います。これからも先生方のご活躍、また大海さんの活躍も心からお祈りをしたいと思います。ありがとうございました。